生分解性プラスチック関連特許出願5年ぶりに約2倍増加
新型コロナウイルス感染症の長期化に伴いプラスチック廃棄物が社会問題化し、これを解決するためにプラスチックを生分解する技術開発が着実に進められている。
今後、生分解性プラスチック市場も急成長すると予想され、関連業界の関心も高まるものと期待される。 市場調査会社「360iリサーチ」によると、全世界の生分解性プラスチック市場は、2020年の51億ドル(約5兆6,814億ウォン)から2025年には89億ドル(約9兆9,146億ウォン)と2倍近く伸びるものと見込まれる。
特許庁によると、生分解性プラスチック関連の特許出願が直近5年間(2016年~2020年)で年平均18%増加し、2016年の97件から2020年は190件と5年ぶりに約2倍増加した。
<生分解性プラスチック関連出願動向(2016年~2021年)>
出願人の国籍別出願割合をみると、韓国人は直近5年間(2016年~2020年)着実に増加し続け、2016年の78件から2020年は158件と2倍以上増加した一方、外国人は上昇と下落を繰り返している。 特に新型コロナウイルス感染症が始まった2019年以降、外国人による出願は減少傾向であるのに対し韓国人による出願は着実に増えており、対照的である。
<出願人の国籍別にみた出願件数の割合(2016年~2021年)>
出願人別に出願件数の割合をみると(2016年~2020年)、企業による出願件数の割合が68%を占め出願をリードしている。 個人(14%)と大学(12%)の出願件数の割合は類似しており、研究機関は5%を占める。
<出願人別にみた出願件数の割合(2016年~2021年)>
一方、個人による出願件数の割合は2019年の11.7%から2020年は18.9%に増加したが、これは新型コロナウイルス感染症以降に急増した使い捨てプラスチック廃棄物に対する個人の高まった関心が反映されたものとみられる。
<出願人別にみた出願動向(2016年~2021年)>
多出願の順位は、LG化学(24件)、三養社(15件)、韓国化学研究院(14件)、ロッテケミカル(14件)、金発科技(12件)、BASF(9件)の順で、企業と研究機関が特許権確保に乗り出している。
<多出願人別にみた出願現況(2016年~2020年)>
直近4年間(2016年~2019年)の主要出願人(多出願1位~6位)が使用した生分解性プラスチックの原料を基準にみると、エステル系47件(60.3%)、カーボネート系16件(20.5%)、これらを混合した混合系5件(6.4%)、その他10件(12.8%)と、エステル系が半数以上を占める。
<主要出願人(1位~6位)の技術別にみた出願現況(2016年~2019年)>
出願人の国籍別にみたエステル系出願件数の割合は、韓国人が51.7%であるのに対し外国人が88.9%を占め、外国企業の技術開発がエステル系に顕著に集中していることが分かる。
<主要出願人(1位~6位)中、外国人の技術別にみた出願現況(2016年~2019年)>
韓国人の出願件数の割合も2016年31.3%、2017年53.8%、2018年40.0%、2019年71.4%と徐々に増加しており、外国企業と同様に韓国企業の技術開発もエステル系に集中する傾向にある。
<主要出願人(1位~6位)中、韓国人の技術別にみた出願現況(2016年~2019年)>
近年新型コロナウイルス感染症により急激に増加したプラスチック廃棄物とともに世界的に強化されている使い捨てプラスチックの使用に対する規制に伴い、環境にやさしいプラスチックの必要性がさらに高まるものと予想される。
[出所: 特許庁]
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