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高強度技術奪取防止対策を盛り込んだ改正「不正競争防止法」・「特許法」 2024年8月21日施行

2024年8月21日から技術奪取行為に対する懲罰的損害賠償の上限が3倍から5倍に引き上げられ、アイデア奪取行為など不正競争行為に対して特許庁長官が是正命令を行えるようになる。不履行時は最高2,000万ウォン以下の過料が科せられる。

 

韓国特許庁は2024年8月21日から上記内容を盛り込んだ改正「不正競争防止及び営業秘密保護に関する法律(以下、「不正競争防止法」)」及び「特許法」が施行されると明らかにした。

 

1.       技術奪取すれば最高5倍の懲罰賠償

▲特許権、▲営業秘密、▲アイデア奪取行為など技術奪取行為に対して警戒心を高めようと懲罰的損害賠償の上限を3倍から5倍に引き上げた。これは技術を開発して特許や営業秘密などを保有するよりは「技術を模倣する方が利益」という認識が普遍化し、損害を被った企業の立場では訴訟で勝ったとしても損害賠償額が十分でなく訴訟をあきらめるケースが増えるなどの悪循環を改善するための措置である。

 

2.       アイデア奪取行為など不正競争行為について特許庁長官による直接是正命令

▲事業提案、入札、公募などの技術取引過程におけるアイデア奪取行為 ▲有名人の氏名・肖像などを無断で使用するパブリシティ権侵害など不正競争行為に対して特許庁長官が直接是正命令できる。

これまでも韓国特許庁は、不正競争行為などに対して行政調査を行い、違反行為が認められる場合、是正勧告を行なってきた。しかし、是正勧告は文字通り勧告レベルにとどまるため、強制力をもつものではなく、不正競争行為が継続する状況を食い止めることは困難であるという限界があった。 

 

今回の改正は上記のような点を克服し、行政救済の実効性を確保して歯止めのない技術奪取状況に対し迅速に対応できるものと見込まれる。韓国特許庁の是正命令を履行しない場合、違反行為者は最高2,000万ウォン以下の過料を科される。

 

3.       法人への罰金額は3倍に引き上げ、営業秘密侵害時には侵害品とその製造施設の没収

営業秘密侵害や不正競争行為違反の罪は、法人の関与率が相対的に高いことを勘案して、法人による営業秘密侵害行為や不正競争行為を抑制できるよう、▲法人の罰金刑を行為者に課された罰金の最高3倍まで引き上げる。

 

さらに、▲営業秘密侵害品のみならず、その製造設備にいたるまで全て没収できる規定を新設する。これにより、侵害品の複製などによる二次被害を未然に防ぐ。

 

4.       ハッキングなどによる営業秘密の毀損・削除も処罰

営業秘密の毀損、滅失、変更行為に関する規定が新設される。不正取得・使用・漏洩など、従来の営業秘密侵害行為の領域外にて行われるハッキングなどによる営業秘密の毀損・削除に対しても、不正競争防止法による処罰が可能となる。 

 

営業秘密を不正な目的で毀損・削除した者は、10年以下の懲役又は5億ウォン以下の罰金といった、より重い刑に処せられる。

 

<改正不正競争防止法の主な内容>


<改正特許法の主な内容>


[出所: 韓国特許庁]

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