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10ナノメートルの壁、極端紫外線(EUV)で乗り越える

10ナノメートルの壁、極端紫外線(EUV)で乗り越える

- 半導体の極端紫外線露光技術、韓国企業·学界が活躍 -




アルファ碁(AlphaGo)のような革新的な人工知能(AI)の誕生は、より速く、より集積された高性能·低電力半導体製造技術があってこそ可能であった。露光技術(Photo-Lithography)は、このような高性能·低電力半導体を製造するため、光を用いて基板に微細な回路パターンを描く中核技術である。



光の波長が短いほど、半導体回路をより微細に描くことができるが、これは0.7mmのシャープペンよりは0.3mmのシャープペンで書くとき、より精密に書くことができるのと同じ理屈である。例えば、半導体回路の線幅を半減させると単位素子の面積は4分の1に減り、同一面積から4倍多くの素子を製造でき、電気配線の長さも縮まるため、より低い消費電力の高性能·省電力半導体の生産が可能である。



既存のフッ化アルゴン(ArF)レーザー光を用いる場合、液浸および多重露光技術を適用しても線幅10ナノメートル(1nmは10億分の1m)以下のパターンの壁を乗り越えられなかった。



EUV(Extreme Ultra-Violet)露光技術は、フッ化アルゴンレーザーより10分の1未満の短い波長を有する極端紫外線を用いて半導体回路パターンを描くもので、10ナノメートル以下の超微細回路パターンを描くために欠かせない。



EUV露光技術は多層ミラー、多層マスク、フェリクル、光源、レジストなど高度な技術の集約体であり、これまで約10年以上サムスン電子をはじめとするグローバル企業が技術を先取りするため熾烈な研究開発を行っており、近年は7ナノを超え5ナノのスマートフォン用アプリケーションプロセッサー(AP)の量産に初めて適用された。



特許庁の過去10年間(2011年~2020年)のEUV露光技術の特許出願分析によると、2014年の88件をピークに、2018年は55件、2019年は50件などとなっており、特に2019年からは韓国人の出願が外国人の出願件数を上回り、国内技術が成長期に入っているとみられる。



<EUV露光技術年度別出願動向(2011~2020年)>

(*‘20年は9月30日までの出願)



企業別では、カール·ツァイス(ドイツ)18%、サムスン電子15%(韓国)、ASML(オランダ)11%、S&S TECH(韓国)8%、TSMC(台湾)6%、SKハイニックス(韓国)1%と、6大グローバル企業が全体出願の59%を占めている。



<上位出願人6社の出願現況(2011~2020年)>


詳細技術別では、工程技術32%、露光装置技術31%、マスク28%、その他9%となっており、工程技術分野では、サムスン電子39%、TSMC15%と、両社の出願が54%を占める。マスク分野では、S&S TECH28%、HOYA(日本)15%、漢陽大学(韓国)10%、旭硝子(日本)10%、サムスン電子9%の順であった。



<詳細技術別にみた出願動向>


< 工程技術分野シェア>


<露光装置分野シェア>


<マスク分野シェア>


特許庁半導体審査課特許チーム長は「EUV露光工程およびマスク分野において韓国企業·学界が善戦しており、第4次産業革命とともに高性能·低電力半導体製造のため、EUV露光技術がより重要になることが見込まれ、露光装置分野においても技術自立のため、研究開発とともにこれを保護できる強力な知財権確保が必要だ」と述べた。




[出所: 特許庁]




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