韓国特許庁、外国法人の委任状の規制緩和
韓国特許庁は、外国法人が韓国でより簡単に特許や商標などを出願できるように代理人委任状に関する「証明書類の提出制度」を改善し、2018年8月10日から施行することを明らかにした。
これまで、韓国特許庁は、外国法人が韓国に特許や商標などを出願し、代理人委任状を提出する際、その委任状に法人の代表者が署名しない場合、署名権限の有無を確認するために公証書などの提出をもとめていた。
外国法人は、特許出願の段階から委任状の公証書まで提出しなければならないので韓国での出願に困難があり、関連業界もこれに関連する制度が外国の企業現実と署名文化を考慮していないと主張し、改善を要請していた。
韓国特許庁は、このような問題点を解消するために、大韓弁理士会と共にこれまで懇談会と実務協議、関連機関の意見を集めるなどし、今回の改善案を施行することになった。
今回の英文委任状に関する制度改善の主な内容は、代理人が一般的な出願書類を提出する際、委任状の他に、別途の証明書類を提出しなくともいいように処理基準を緩和したものである。
但し、特許出願の取下げや放棄のように、出願人に不利益が発生し得る場合には、代理人に代理権を確認できる書類を提出するようにした。
また、利害関係者等が代理権の有無に異議を提起する場合には、代理権をより具体的に確認することができる公証書を提出するようにして、特許に関する手続きにおいて出願人の権利を積極的に保護できるようにした。
併せて、提出しなければならない証明書類も既存の公証書だけでなく、出願人(署名者)と代理人が共に署名する権限があることを陳述する所定の「署名権限認定書(本人)及び署名権限確認書(韓国代理人)**」まで拡大した。
* 署名権限認定書(署名者):署名者本人が委任状に署名する権限があることを認定した書面
* 署名権限確認書(代理人):代理人が委任状に署名した者が署名権限があることを確認した書面
ソン・ユンモ特許庁長は、「外国法人の英文委任状証明書類の提出対象を不利益な権利関係で大幅に縮小し、提出書類も「署名権限認定書及び署名権限確認書」を追加して施行することで、これまでの公証書による外国法人の不便事項が相当部分解消されると期待する」と述べた。
□ 現行
外国法人が韓国で出願するためには、代理人選任のための委任状を必ず提出しなければならない
▸ 委任状の署名者が法人の代表者である場合:証明書類の提出不要
▸ 委任状の署名者が代表者ではない場合:全ての手続き(特許出願など一般手続き、特別授権*を含む)に対して証明書類の提出必要
* 特別授権[特許法第6条(代理権の範囲)]:特許出願の変更•放棄•取下げ、特許権の放棄、特許権の存続期間の延長登録出願の取下げ、申請の取下げ、請求の取下げ、韓国内優先権の主張又はその取下げ、特許拒絶決定不服又は特許権の存続期間の延長登録拒絶決定不服審判請求、復代理人の選任
(商標の場合は、商標法第7条、デザインの場合は、デザイン保護法第7条)
□ 変更後(書類提出日付けを基準として2018.8.10(金)施行)
▸ 委任状の署名者が代表者である場合:証明書類の提出不要(現行と同一)
▸ 委任状の署名者が代表者ではない場合:原則的に証明書類の提出不要
- 但し、特別授権(包括委任登録を含む)事項は、証明書類[①公証書又は②署名権限認定書及び署名権限確認書]の提出必要
※ 代理権の有無について異議の提起がある場合には、代表者の署名如何にかかわらず、必ず公証書提出が必要
※ 署名権限認定書(署名者)と署名権限確認書(代理人)は、各1枚別途提出が原則、但し、委任状などに該当文句が含まれていても認定
□ 変更前後の比較