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動物実験に代わる臓器チップの開発が活況

動物実験に代わる臓器チップの開発が活況

- バイオ技術とIT技術の融合による人体臓器チップ関連の出願が増加 -


近年の化粧品•新薬開発のブームとともに、年間約400万匹(2018年は372万匹)の動物が動物実験の犠牲となっているが、人体と動物との疾病の様相や毒性反応に違いがあり、これまでの動物実験は、予測可能性において限界があった。こうした動物実験の限界を克服する代替試験法の登場により、人体の生理的特性を正確に模写した臓器チップ(organ on a chip)が大きな注目を集めている。臓器チップ技術とは、血管、肺、肝臓などの人体の臓器を構成する細胞を3次元培養し、電子回路が形成されたマイクロ流体チップ上に置いて、実際の人体と同様の生体環境を模倣することにより、薬物に対する反応性をテストする技術である。


特許庁によると、2009年には14件に過ぎなかった特許出願は、欧州連合(EU)が倫理的問題から動物実験を経て化粧品を製造・販売することを禁止した2013年を皮切りに25件、2014年41件、2015年45件、2016年67件、2017年77件へと増加した。依然として未公開特許である2018年を除けば、2017年には2013年比で約3倍の伸びを示したことが分かった。



<年度別特許出願動向>

技術別に出願状況を見ると、細胞を3次元培養して増殖させる培養技術の出願が23%(93件)と最も多いが、これは臓器チップを介して人体内の薬物反応を高精度で予測するために臓器別立体構造と生理的特性をそのまま再現する細胞を必須的に培養しなければならないので、これに関連した出願が活発になっていると考えられる。


次に、3次元細胞培養関連素材と装置に関連した出願が各々20%(79件)と18%(74件)、チップ上に具現されたセンサー装置に関連した出願が12%(49件)、臓器チップを用いた薬物試験方法に関連した出願が10%(36件)であったことが分かった。




<技術分野別出願状況>

出願人を類型別に見ると、大学が198件で49%を占め、次いで、外国企業20%(82件)、中小企業15%(60件)、研究機関9%(35件)と続き、韓国内の大学と外国企業の出願割合が高いことが分かった。その原因として、米国など主要国では特定の疾病モデルの臓器チップがすでに常用化されている一方で、韓国では基礎研究の段階にとどまっているためと分析される。



<出願人類型別出願状況>


特許庁バイオ審査課長は「臓器チップ技術は、動物実験の倫理性に関する議論を回避し得るのみならず、今後はカスタマイズ型医療をはじめとした新薬開発の重要技術としても注目されているだけに、大学や研究所に拠点を置くスタートアップ企業も臓器チップ関連特許ポートフォリオを体系的に構築することにより、知的財産権を基盤とした強小企業に成長する礎を築かなければならない。」と述べた。


[出所: 特許庁]

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