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PM2.5低減対策として浮上している「LNG発電」

PM2.5低減対策として浮上している「LNG発電」

- 最近5年間(2014〜2018年)特許庁に提出された発電用ガスタービン関連の特許出願が増加 -


硫黄酸化物のような大気汚染物質とPM2.5をほとんど排出せず、より環境に優しい発電方法として評価されているLNG(液化天然ガス)発電の中核部品であるガスタービンの、韓国企業による特許出願が活発である。


特許庁によると、発電用ガスタービン関連の特許は過去10年間(2009〜2018年)で合計1,049件が出願され、特に2009〜2013年の平均約60件から2014〜2018年の平均約150件へと急増した。


  <過去10年間の年度別にみた発電用ガスタービン関連の特許出願動向>


韓国政府は2017年から2030年にわたる今後約10年間、石炭と原子力は10%前後にシェアが減少するのに対し、再生可能エネルギーは10%以上大幅に増加し、LNG発電も2%程度で引き続き増えるものと見込んでいる。(出所:第8次電力需給計画、産業通商資源部、2017年12月)


※ 第8次電力需給計画(産業通商資源部、2017年12月)の2017〜2030年発電量構成比の見通しによると、石炭と原子力発電は45.4%と30.3%からそれぞれ36.1%、23.9%に減少し、LNGと再生可能エネルギーは16.9%と6.2%からそれぞれ18.8%、20.0%へと増加すると予測した。


再生可能エネルギーが短期間で電力需要のすべてを満たすには現実的に困難であるという点を考慮すると、石炭や原子力発電に比べて環境と安全性の面でメリットが大きいLNG発電の中核部品である発電用ガスタービンの研究開発と特許出願が活発であることは、非常によい現象である。


過去10年間で三菱(株)と斗山重工業(株)は、それぞれ292件と237件を出願し、全体の50%以上を占めている。特に斗山重工業は、三菱とのライセンス契約が満了した2017年前後の3年間で171件を出願し、同時期に113件である三菱を追い抜き、技術と特許競争力を確保した。


この他にも、韓国電力関連の発電所が69件、機械研究院など国策研究所が66件を出願し、世界のガスタービン市場シェアの第1位、第2位を占めているゼネラル・エレクトリック(GE、米国)とシーメンス(Siemens、ドイツ)がそれぞれ62件、36件を出願した。


※ ガスタービンの世界市場シェア(2015年基準) : GE 40.0%, シーメンス 31.8%, 三菱 17.8%, その他 10.4%

(出所 : Frost & Sullivan Research and Markets)


<年度別にみた主な出願人の発電用ガスタービン関連の特許出願動向>



<世界のガスタービン市場シェア(2015年度基準)>



技術別では、ガスタービンの運転効率向上のための中核技術であるガスタービン制御(351件)、燃焼装置(228件)および冷却装置(155件)関連の特許出願が最も多いことが示され、これ以外にも漏洩防止をはじめとする安全関連の技術、メンテナンス技術など様々な分野での出願が活発である。

<年度別にみた発電用ガスタービン関連の詳細技術別の特許出願動向>


· ガスタービン制御 : タービンの回転量、ガスの流れなどを制御して効率を高める技術

· ガスタービン冷却 : ブレードを冷却してガスとブレードの熱伝導率を向上する技術

· 燃焼装置 : ガスを圧縮空気と適切に配合して燃焼効率を高める技術

· ブレードおよびベーン : ブレードとベーンの形状、材質および配列に関する技術

· その他の詳細構成 : 漏洩を防止するためのシール技術、ケーシング、ディフューザー、メンテナンス口など



特許庁動力技術審査課長は「韓国政府は2030年までにLNG発電の割合を18.8%まで高める計画を打ち出しており、発電用ガスタービン市場はこれからも持続的な成長が見込まれる」と述べた。


[出所: 特許庁]

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