商標登録、急を要する案件は優先審査申請を
- 商標優先審査制度導入から10年、優先審査出願の増加傾向鮮明に -
近年、商標出願が急増する中、優先審査申請による迅速な審査が商標出願の分野で脚光を浴びている。
特許庁は最近、商標出願の分野において優先審査出願が大幅に増加していると明らかにした。
商標に関する審査は、出願順に行われるのが原則である。ただし、すべての出願について例外なくこの原則を適用すると、迅速な権利の確保が必要であったり権利侵害のおそれがある場合、出願人の権利を適切に保護できないなどの問題点がある。
このことから、韓国をはじめとする米国、日本など主要国の商標法では、一定の要件を満たしている出願については他の出願より先に審査できるよう優先審査制度を規定している。韓国も2009年からこの制度を導入し、10年以上実施している。
導入初期には654件に過ぎなかった優先審査申請は、継続的な増加傾向*を示しており、近年2018年5,734件、2019年7,595件と大幅に伸び、制度の導入から10年ぶりに12倍近く急増した。
* (‘09) 654件 → (‘12) 2,895件 → (‘14) 3,487件 → (‘18) 5,734件 → (‘19) 7,595件
<年度別にみた優先審査申請件数、増加率、審査処理期間(案件毎基準)>
近年、優先審査申請が大幅に増加している理由は、2018年からの商標出願の増加によって商標審査が遅れており、迅速な審査の結果を望む出願人が積極的に優先審査制度を活用するためであると考えられる。優先審査を申請する場合、出願人は申請から約2ヶ月後に商標登録が可能か否かを確認*できる点が出願人からますます脚光を浴びている要因であるとみられる。
* 一般的な審査の場合 ‘20.1カ月基準約7カ月所要
従来は、出願人が出願した商標を使用しようとする商品すべてについて使用しているか、使用する準備をしていることが明白な場合など限定的な場合にのみ、優先審査申請が可能であった。
しかし、2019年7月からは、特許庁長が登録公告した商標を専門的に調査する機関の商標に対する調査を依頼した場合にも優先審査申請が行えるよう要件を緩和し、出願人の利便性を大幅に改善した。新たな要件の導入以降、これを活用して約250件の商標出願に対する迅速な審査が行われ、2020年にはこれを活用した優先審査申請がさらに増えるものと予想される。
特許庁商標審査政策課長は「優先審査制度は、早急な権利確保が必要な出願人などのために導入した制度で、審査結果を早く確認したい出願人に良い代案となるのみならず、迅速な権利関係の定立をめぐる紛争を最小限にする役割を果たすことになる」と述べた。
[出所: 特許庁]