特許出願の際、自由形式の「臨時明細書」提出が可能
- 研究開発後の論文、研究ノートなどをそのまま提出して特許出願日を早期に確保できるものと期待 -
特許庁は、韓国企業が特許を速やかに出願できるよう従来の明細書様式に従わずとも、発明の説明を記載した「臨時明細書」を提出できる制度を設け、3月30日から施行すると発表した。
特許は世界で最も早く発明を出願した人にその発明の独占権を与える制度であるため、企業間で類似した技術を他の企業より先に特許出願するための競争が激化している。
しかし、これまでは特許を出願する際、規定された様式と方法に基づいて作成された明細書を提出しなければならなかったため、論文などの研究結果を明細書の形式で再作成するのに時間を要し、迅速な出願が難しいとの声が多かった。
* 特許出願の際に提出する明細書は、特許法施行規則別紙第15号様式により(規則第21条第2項)、電子出願時、様式の各項目を入力しなければ提出不可
これに対して特許庁は、特許または実用新案を出願しながら従来の様式に従わずに自由形式の臨時明細書を提出できるよう、特許法•実用新案法施行規則を改正した。
ただし、臨時的明細書を提出した状態では特許審査を受けられないため、当該発明に対し特許を受けようとする場合は、出願日から1年以内に優先権を主張して再出願し、臨時明細書を提出した日付を出願日として認めてもらう方法が推奨される。あるいは、臨時明細書を提出した日から1年2カ月以内に正式な明細書を再提出する方法も可能である。
特許庁は今回の制度改善に合わせて、臨時明細書で提出することのできる書類をその形式にこだわらずPDF、JPGなどの一般的な電子ファイル*であればすべて可能とする電子出願システムも改善した。これにより、出願人は、論文∙研究ノートなど記載の発明を特段の修正作業をせずにそのまま提出することができる。
* 提出可能なファイル形式: PDF, DOC, DOCX, PPT, PPTX, HWP, JPG, TIF
このように、特許明細書の提出要件が緩和されることによって、国内でも研究結果をすぐに特許出願できるようになり、産業界での利用が活発になるものと予想される。
特許庁長は「これまでは明細書作成のために別途時間がかかり、特許出願日を速やかに確保するのが難しいという企業からの意見が多かった。今回新たに設けられた臨時明細書制度を活用すれば、韓国企業が開発した技術に対し以前よりも早期に特許を出願することで、その後改良された発明についても優先権を主張して出願日を認められるなど、より効果的にイノベーション技術が保護されるものと期待する」と述べた。
[出所: 特許庁]