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商標出願にも「O2O*(オーツーオー)」戦略が必要

商標出願にも「O2O*(オーツーオー)」戦略が必要

- スマートなスタートアップ企業は、商品とサービス業を同時に登録する -


「カカオタクシー」 、「配達の民族」、「マーケットカーリー」は、いまや私たちの生活に深く浸透しているサービスである。それぞれが提供する分野は、タクシー、飲食店の情報提供および注文代行、生鮮∙冷凍食品の配達であり、オフラインでのサービス提供形態とは異なるものの、共通点がある。それは、すぐに消費者が当該サービスをスマートフォン用のアプリケーションソフトウェア(以下、「モバイルアプリ」)を通じて利用できる点である。

* O2O(オーツーオー) : Online to Offlineの略で、従来のオフライン販売およびサービス産業にオンライン技術を適用したもの


これらの企業の商標権をみると、企業が提供するサービス業である「タクシー運送業、飲食店情報提供業、生鮮∙冷凍食品販売業」以外にも、商品である「ソフトウェア、モバイルアプリ、モバイルクーポン」などの登録を受けたことが確認できる。

* サービス業 : 広告∙卸売小売業(35類)、保険∙金融業(36類)、建設∙修理業(37類)、通信業(38類)、運送∙旅行業(39類)、材料処理業(40類)、教育∙芸能∙スポーツ産業(41類)、科学∙IT(42類)、飲食物提供∙宿泊業(43類)、医療∙農業∙園芸(44類)、法律∙警備業(45類)


事業が安定期に入ったO2Oサービス企業は、商標出願時にサービス業だけでなく「モバイルアプリ」にも同時に出願するが、スタートアップ企業は、創業当初はコストの問題および商標権に対する認識不足により、消費者に提供するサービス業のみを商標として出願し、登録を受けるケースが一般的である。


生鮮食品の配達スタートアップである(株)カーリーは、創業初期の2015年に「マーケットカーリー」の商標を「インターネットショッピングモール業、生鮮食品配達業」などにのみ出願して登録を受けたが、2019年に「モバイルアプリ」などを指定商品に追加し、登録を受けた。


スタートアップが創業初期にインターネットのホームページを通じ当該サービスを提供する場合には、サービス業だけ登録しても問題が生じないが、「モバイルアプリ」のサービスを開始する際「モバイルアプリ」に同一名称の商標が他人によって先に登録されているのであれば、商標権紛争が発生し得る可能性があるので注意が必要である。


特許庁商標デザイン審査局長は「伝統的なサービス業がオフラインからオンライン、オンラインからモバイルに拡大するのに伴い、商標出願にも伝統的なサービス業のみ出願するのではなく、指定商品に「モバイルアプリ」も同時に出願する「O2O(オーツーオー)」戦略が必要である」とし、「創業初期に「モバイルアプリ」を出願できなかった場合、新たに商標を出願したり「指定商品追加登録出願*」制度を活用すればよい」と述べた。

* 指定商品追加登録出願 : 既存の登録された商標または出願中の商標に指定商品を追加して登録を受け、一つの商標権として統合して管理できる制度で、別途に商標を出願するよりも商標権管理が便利である


[出所: 特許庁]

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