花粉も除去する空気清浄機の特許出願が急増
全国民を苦しめるコロナ禍においても、麗らかな春の陽気が訪れた一方、花粉も同時に飛散しており、窓から流入した花粉のみならず、室内で発生するPM2.5も人々の暮らしを脅かしている。これを反映するかのように、室内のPM2.5を除去する様々な集塵方式の空気清浄機分野における特許出願が毎年継続的に増加している。
特許庁によると、空気清浄機分野における韓国特許出願は、2010年の71件以降、過去10年間(2010〜2019年)で7倍以上、ここ5年間(2015〜2019年)は、年平均52.4%ずつ急増していると明らかにした。
<空気清浄機分野における韓国特許出願動向 (‘10~’19)>
これは、PM2.5の有害性を認識することで、クリーンな空気に対する国民のニーズが急激に高まり、これを解消するため、企業がスピーディに対応しているものとみられる。
過去10年間の韓国特許出願における出願人の類型をみると、中小企業(31%)、個人(26%)、大企業(23%)、中堅企業(14%)の順となっており、外国人の韓国出願は3%に過ぎず、韓国人が国内出願をリードしていることが明らかになった。
<空気清浄機分野における出願人の類型別にみた特許出願の割合 (‘10~’19)>
<空気清浄機の集塵技術分野における国内上位多出願人(過去10年の累積)>
特に、中小企業の出願割合が高いのは、先端技術に比べて相対的に技術のアプローチがしやすいのと、国内需要が高く、市場性が大きいためで、個人の出願割合が高いのは、生活の中のアイデアを出願しているからである。
また、韓国出願のうち、韓国人による出願(1,518件)の8.5%(129件)が、他国での特許権を取得するため、海外に出願されている。韓国人出願人による外国出願をみると、米国(87件)、中国(83件)、欧州(65件)、日本(34件)の順で、多く出願されている。
<空気清浄機分野における外国出願の現況 (‘10~’19)>
※ 韓国出願1,518件のうち、129件(8.5%)が外国出願された
※ 1件の韓国出願を基礎として条約優先権主張を利用し、複数の国に出願することができる
空気清浄機は、PM2.5を除去する集塵技術が重要であるが、集塵技術は、フィルター方式、湿式方式、電気集塵方式、光触媒方式に分けられ、それぞれの集塵方式は複合形態で多く用いられる。
空気清浄機の集塵技術は、フィルター方式(68%)、湿式方式(14.5%)、電気集塵方式(11%)、光触媒方式(6.5%)の順で出願されている。
<空気清浄機の詳細技術分野別にみた韓国特許出願の動向 (‘10~’19)>
集塵技術別にみると、フィルター方式は、超極細不織布で、そのうちHEPAフィルターは、0.3㎛の大きさまで絡め取ることができる。ウェット方式は、水の吸着力を利用して集塵能力を高めながら加湿機能を兼ね備えた方式である。電気集塵方式は、電気放電によってPM2.5を帯電させ除去する方法で、放電時に発生するオゾンを軽減させたり、ユーザーに通知する技術が含まれたりもする。光触媒方式は、光触媒物質の表面に紫外線を当てると活性酸素が発生し、この活性酸素を用いてPM2.5を除去する方式である。
特許庁建設技術審査課長は「室内活動が増加するのに伴い、室内の空気の重要性に対する認識が高まっているため、空気清浄機の需要は引き続き増加すると見込まれ、これに比例し、企業の韓国特許出願もより活発になると考えられる」とし、「クリーンテクノロジーは、全世界的で市場が急速に成長している分野であるだけに、世界市場先占のため、韓国企業が海外出願を拡大する必要がある」と述べた。
[出所: 特許庁]