ヘルスケアもアンタクト時代、ホームトレーニングが新トレンド
- 特許庁、直近5年間でホームトレーニング商品関連の商標出願が約126%増 -
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、YouTubeやスマートフォンのアプリを通じ都合の良い時間かつ快適な場所で、画面に映し出されるインストラクターの動きにあわせてエクササイズを楽しむことは、身近でよくみられる日常的な光景となった。このように時間や場所の制約から解放され、自宅で誰でも簡単に楽しめるホームトレーニングがトレンドになりつつある中、関連商品の商標出願も着実に増えている。
特許庁は、自宅で器具なしまたは簡単な器具を使って好きな時間に運動できる、ホームトレーニング商品(ヨガマット、ダンベル、フォームローラー、ケトルベルなど)関連の商標出願が、堅調な伸びを見せていることを明らかにした。
昨年のホームトレーニング商品に関連する商標出願件数は506件で、過去5年間では(2015年224件)、約126%増加したことが分かった。
<ホームトレーニング商品関連の商標出願現況>
<ホームトレーニング商品関連の商標出願の推移>
** 多数の指定商品を含む出願の場合、指定商品別に出願件数を重複して算定
* ケトルベル : ウエイトトレーニングで使用される、ケトルに類似した形で環状の取っ手がついた重量のある物体
* ピラティスフォームローラー : 円筒形ローラー状のストレッチンググッズ
* ジムボール : ボールの弾性を利用し身体のバランスをとってストレッチする運動器具
* ピラティスバンド : 姿勢の矯正やストレッチに役立つピラティス用のバンド
* ピラティストーニングボール : 重量があり手のひらで握れるボール型のピラティスグッズ
* ステッパー : 力を利用して踏み台昇降運動を行い下半身を鍛える器具
* ヨガトレーニング用ボルスター : ヨガトレーニング用のピロークッション
* ローイングマシン : ボート漕ぎ運動を繰り返して行う全身運動器具
今年1月から5月までの上記商品を指定商品とする商標出願は233件で、前年同期の209件と比べて11.5%増加した。
<前年同期比(1月〜5月)のホームトレーニング商品関連の商標出願推移>
これはコロナ禍によるソーシャルディスタンスの影響で、ホームトレーニング関連の商品に対する需要が大幅に伸びた市況状況を反映したものとみられる。
ここ5年間(2015〜2019年)の商標出願人を類型別にみると、
個人による出願が813件で48%を占め、企業による出願が677件で39%を占めた。このうち中小企業が565件で、全体の33%に相当する。
個人事業者及び中小企業における出願の割合が高いのは、当該商品の製造と販売分野において参入障壁が低く、こうした事業体が成長するのは、市場のニーズに対して迅速かつ柔軟に対応できるためであると考えられる。
特許庁商標デザイン審査局長は「ホームトレーニング関連市場は急速に成長しており、最近は新型コロナウイルス感染症の影響で公共施設の利用が難しくなったこともあわさって、今後も引き続き高い伸びが見込めるだろう」と述べ、「このような傾向に応じて関連する商標出願も増加するため、消費者に効果的に寄り添う商標権の先占により、企業競争力を他社に先んじて確保することが重要である」と語った。
[出所: 特許庁]